パソナグループは、「社会貢献室」が発足した同時期の2005年にグループ各社の役職員で構成する「環境委員会」を設置。以来、次世代に健全で美しい地球を残すため、環境保全活動に取り組んでいます。
そうした活動の一環として、パソナグループでは定期的に、グループ各社の全役職員を対象に、環境教育の一環として「Ecoテスト」を実施しています。今回のSONAERUでは、パソナグループ 環境マネジメント推進委員会 環境教育チームのリーダーを務める、パソナ 専務執行役員 太田実から「Ecoテスト」についてご紹介します。
また、記事の後半では、テスト問題の中からパソナグループの環境経営の取り組みや、いま日本や世界が直面している環境問題等をクイズ形式で出題します。
この機会に是非、環境問題を“自分ごと”としてとらえ、できることを一緒に見つけていきませんか。
解説!Ecoテストとは?
パソナグループ 環境マネジメント推進委員会「働く環境整備」リーダーのパソナ 太田実 専務にEcoテスト実施の目的や、今年のテストに込めた想いを伺いました。

▲環境マネジメント推進委員会 「働く環境整備」環境教育チーム リーダー
パソナ 太田 実 専務執行役員
■Ecoテスト実施の目的
パソナグループが取り組む環境保全活動は、「環境宣言」で提唱している通り、私たち一人ひとりが環境に関する意識を高め、全てのステークホルダーの方々と環境活動の輪を広げ、豊かな地球環境の創造に取り組んでいくことです。
Ecoテストは実施を通じて、全ての役職員が環境問題への関心と知識を深めるとともに、パソナグループが目指すサステナブル経営のあり方を理解する機会とすることを目的としています。
■2025年Ecoテストについて
環境への取り組みは、私たちの未来そのものです。今年のEcoテストは、その第一歩として、グループ各社の役職員に多くの気づきを感じてもらえる内容となるよう願いを込めて作成しました。
直近の世界や日本の動向、パソナグループの取り組みや大阪・関西万博に関する問題なども取り入れ、環境関連の基礎教養を養うことができる設問の構成としました。
本記事では、その中からいくつかの設問をピックアップしてご紹介します。
「意外と難しい」!? クイズに答えてみよう!
ここからは、2025年Ecoテストからいくつかの問題をクイズ形式でご紹介します。答えを知ることで「なるほど!」と環境への理解がぐっと深まること間違いなし!
クイズの回答は、環境マネジメント推進委員会 「働く環境整備」 環境教育チームのパソナグループ 淡路HR部長 渡邊直登よりわかりやすく解説します!

▲環境マネジメント推進委員会「働く環境整備」環境教育チーム
パソナグループ HR本部 淡路HR部 渡邊直登 部長
①日本と世界の平均気温の上昇に関する問題
【問題】
気象庁は2024年の日本の平均気温が、平年値(20年までの30年間平均)を(問1 )上回り、1898年の統計開始以降で最も高くなったと発表した。2023年の平年プラス1.29度を超え2年連続で記録を更新した。
また、欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は2024年の世界の平均気温が産業革命前に比べて(問2 )高くなり、2年連続で史上最も暑い年だったと発表した。
気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」で掲げる気温上昇幅の抑制目標を単年で超えるのは初めて。
【答え】問1:1.48度 問2:1.6度
【解説】
問題文にも書いてありますが2024年は日本でも世界でも気温は過去最高を記録し、最も暑い夏となりました。気候変動で知っておくべきことに「ティッピングポイント」があります。ティッピングポイントとは、少しずつの変化が急激な変化に変わってしまう「転換点」を意味する言葉です。気候変動についても、あるレベルを超えると、気候システムが再び元の状態に戻れない大規模な変化を起こす可能性があると言われており、その一つが気温上昇1.5℃です。
世界の平均気温が1.5℃上昇するだけでも豪雨や洪水など異常気象の発生頻度は高くなり、気候変動による乾燥や干ばつによる山火事なども深刻化することが考えられます。また自然破壊等による生態系ネットワークにも大きな影響を及ぼすでしょう。経年変化を表した下記データもご確認ください。
参考データ
日本の年平均気温偏差の経年変化
▲
気象庁ホームページ 日本の年平均気温データより
1850〜1900年の産業革命前の基準期間と比較した世界の地表気温上昇

▲コペルニクス気候変動サービスホームページより
参考:コペルニクス気候変動サービス
Copernicus: 2024 is the first year to exceed 1.5°C above pre-industrial level
Seven charts to discover the C3S Global Climate Highlights 2024 report
②脱炭素に向けた取り組みに関する問題
【問題】
カーボン(問1 )とは、CO2排出に対してコストを設定し、排出を減らすことを促す政策です。カーボン(問1 )の手法のひとつとして、省エネ・再エネ設備の導入による温室効果ガスの削減量をクレジットとして認証、経済産業省・環境省・農林水産省が運営し、2013年度より取引が開始されています。
二酸化炭素削減量や吸収量をクレジットとして売ることや購入することで、自社の二酸化炭素排出量をカーボン(問2 )することができます。
【答え】問1:プライシング 問2:オフセット
【解説】
企業はまず、自社が排出しているCO₂の排出量を知ることが大切です。そして、CO₂削減の努力を行うわけですが、どうしても削減しきれないCO₂を温室効果ガス削減・吸収の取り組みに資金を提供する(クレジットを購入)することでオフセット(埋め合わせを)します。このことをカーボンオフセットと呼んでいます。
➂パソナグループの環境への取り組みに関する問題
【問題】
2024年パソナグループは「GXソリューション」の事業展開拡大のため、環境関連事業を推進するパソナ、パソナHRソリューション、パソナJOBHUB、工場などの設備の環境対応支援をする(問1 )の4社が中心となり「Pasona GX Solution プロジェクト」を立ち上げ、グループシナジーの最大化を目指していきます。
また、これまでシャドーキャビネット環境省にて、全役職員が一丸となって、パソナグループの環境関連事業の考え方や、今後のあり方について議論を重ねてきた結果、2025年2月には新会社(問2 )を設立。企業の「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」を総合的に支援していきます。
【答え】問1:パソナ日本総務部 問2:パソナサステナビリティ
【パソナサステナビリティ 社長 石田正則よりコメント】
パソナサステナビリティは、お客様の約8割が上場プライム企業、取引先の担当部門は7割がサステナビリティ部門、3割が経営企画部門です。
同社は、CO2排出量の可視化、省エネ診断、CO2削減対策、J-クレジット購入代行などの環境経営支援、人的資本開示や人事戦略コンサルティングなどの人的資本経営審などESG経営を支援する多様なサービスを展開しています。パソナグループのBPOサービスやコンサルティングのノウハウを活用し、企業の持続可能な成長を支援します。
④パソナグループの環境への取り組みに関する問題
【問題】
近年、世界レベルでの地球温暖化、生態系の破壊などが深刻化する中、パソナグループが目指すサステナブル経営のあり方を発信し、2021年に「パソナグループ環境イノベーション戦略」を策定、同年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同を表明しました。
パソナグループの環境推進体制としては、(問1 )が環境経営及び気候変動対応における戦略・方針・目標を策定。その配下にある(問2 )が、CO2可視化/削減・働く環境整備・環境保全活動など、具体的な施策の企画・推進・管理をおこなっています。
【答え】問1:環境経営戦略会議 問2:環境マネジメント推進会議
【解説】
問題文のとおりパソナグループでは、環境に関する会議体が2つありそれぞれ毎月1回、環境経営から環境保全活動まで幅広く、議論しています。パソナグループの環境経営を推進する組織体制については、こちらの記事で詳しく紹介しています。是非ご覧ください。
クイズはいかがでしたでしょうか?
日本のCO2排出量の約6割が、衣食住を中心とする「ライフスタイル」に起因していると言われています。脱炭素社会の実現には、一人ひとりのライフスタイルの転換が重要です。環境省「デコ活」を参考に、「国産の食材を選ぶ」「地産地消への協力」「クールビズ・ウォームビズ」など身近なことから、環境のためにできることを一人ひとりが取り組んでいきましょう。
▼参考:環境省 デコ活HP
https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/